シンポジウム企画
第58回年次大会(2003年春)シンポジウム
男女共同参画−育児と物理をめぐって
報 告
- 日 時
- 2003年 3月30日(日)13:30-16:35
- 会 場
- 東北大学川内キャンパス 年次大会ZN会場
領域 「物理と社会」- 主 題
- 男女共同参画−育児と物理をめぐって
- 座長
- 前半(1〜4)板倉明子, 後半(5〜7)菅本晶夫
- 全体の報告(坂東昌子)
- 「物理と社会」という新しい領域での最初のシンポジウム企画であり、男女共同参画推進委員会が発足してはじめての学会参加でもあった。 場所が散在しており他のシンポジウムと重なる部分も多かったにもかかわらずのべ60名をこえる参加者を得、しかも活発な議論が行われた。佐藤勝彦氏(東大 理)が最初に東大での取り組みを紹介、続いて延与佳子氏(KEK)が自らの経験に基づいて育児と物理の両立には個人の努力には限界があることを、また村尾 美緒氏(東大理)より米国の取り組み、さらに共働きの男性代表として田口善弘氏(中大理工)より研究者の教学特有の仕事と雑用との概念規定をめぐる議論が あった。また、飛び入りで東北大学男女共同参画委員会の委員長である鈴木厚人氏(東北大理)よりまだ大学の門戸が女性に開かれていなかった時代に女子学生 を受け入れた東北大の歴史や現在の取り組みの紹介や、伊藤厚子氏(理研)からの物理学会アンケート自由記述の紹介もあった。北原会長・潮田副会長も交えて 「育児を男性がやるのはかっこ悪いか」「Family Friendly Society という価値観の導入」「育児支援システムのありかた」など活発な議論が飛び交い、21世紀型の研究者像にまで話は広がった。
パートナーを犠牲にする形でもなく、さりとて女性の潜在能力を花開かせ、ひいてはそれが物理学会全体の男女ともにそのもつ能力を開花させる方途を見つけるためのたくさんのヒントとアイデアをいただいた。これをどう生かすかが今後の課題である。
順番 題 目 所属 講演者氏名 1 はじめに「東大での取り組みから」 東大理 佐藤勝彦 2 育児と物理 KEK 素核研 延与佳子 3 ライフスタイルの変化と物理 東大理 村尾美緒 4 男性から見た男女共同参画 中大理工 田口善弘 5 アンケートにおける自由記述について お茶の水女大名誉教授 伊藤厚子 6 東北大学における男女共同参画の取り組みについて 東北大理 鈴木厚人 討論 なお、当日プログラムの変更があって講演できなかった1件:
おわりに「自然系学協会の動きと展望」 10 分 愛知大法 坂東昌子
を、講演に代えてここにご報告いたします。